あす4月9日から、おしゃまの写真展「さよなら、空白と不在」がはじまります。
本日、搬入と設営を完了しました。
六切りの写真8点と、それにまつわる詩二編を展示しています。
武田こうじさんが、わたくしの写真に寄せて書いてくださった詩をみずから英訳したものを持ってきてくれましたので、壁に貼りだしてあります。
きょういちばんのサプライズでした、笑
最終日、15日開催のポエトリーリーディングライヴのご予約、まだまだ受付中です。
お待ちしております。
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この写真展について、書いた文章を以下に載せておきます。
わたしの内側に大きな穴があいていて、その欠落を埋めるための作業が長らくわたしにとっての生活でありつづけてきました。
それは、生まれながらにしてできた空洞であるかのような、言い換えれば幸せな人生に最初から見離されているような、どうしようもない不全感でした。
必死になって埋め合わせようと、もがきつづけて長い時間を過ごしてきました。
しまいには、その空洞そのものが、わたしにとって欠くべからざるものなのではとさえ思えてきました。
穴をのぞいてみれば、ときには空だってみえると。
その考えは、ぎりぎりのところから発する悲痛なユーモアで、世のなかを裏側からみているような、決定的な不幸だったようにいまは思います。
この写真展の構想は、1年以上前からありましたが、当初はその不全感のみを前面に表出するような展示内容になることを、わたし自身疑ってもみませんでした。
2018年がスタートしてまもなく、ふしぎな天啓のようなもの、もしかしたら錯覚だったかも知れませんが、急に窓の外の暗闇に光りがさしたような思いがしました。
ずっと立ちこめていた不全感を断ち切ってしまおうと、心が動き出したのです。それは意外なことでもありましたが、止める理由はなにもなかった。この勢いでいこうと決めたのです。
この先落ち込むこともあるかも知れない。けれどもいちいち折れたり泣きたい気持ちになるのはもう嫌ですので、負けても泣かない、を当面の目標に据えました。
これらの作品から、そのような積極的な姿勢がみえるかどうかは、まだ自信がありません。
写真に写っているのは、あくまでも過去にみたものです。
撮影した時期も、2017年を中心とした、索漠とした気持ちで街をあるいていたころのものです。
わたしの、2018年からはじまった変革をかけた姿勢が、今後撮影するものにどう反映されてくるか。
これから書くものにも、深く影響することをみずから願っています。
未知のわたしがそこにいて、わたしの影とすり替わる、
その瞬間を示すようなものが、背景に写っていたら、いいなと思います。
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わたくしは、13日の夜に在廊予定です。
よろしくお願いいたします。