みなさま、だいぶ冷え込む日もでてきましたが
如何おすごしでしょうか。
最近ほそぼそとしか書けていないので
なんとなく気が引けるのですが、きょうは、作品のタイトルの話しです。
詩に限りません。
絵でも、散文でも、あらゆる創作物につける題についてです。
先日、ある写真中心の展示を見に行ったとき、
一枚の絵に、いわゆるレンズ付きフィルムが描かれていました。
作者の方がいらした時だったので、そこに添えられたタイトルについて
どういう意味なのか、推測をまじえて語ったのですが
答えは「なんとなく…特に意味はない」でした。
創作にたいするそういう姿勢、いってみれば
じぶんが一度作ったものから一定の距離を置く、
そういうスタンスもあるのだなと
かえりみちに反芻するように考えていました。
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わたくしおしゃまは。一度個人詩誌で発表した詩については
数か月もすると「なにを書いたんだっけ」と思うこともじつはあるのですが
いつも詩のタイトルをつけるときには、悩みに悩みます。
ときどき、先にタイトルに使いたい言葉が浮かんで
それに向かって書いていくこともありますが
おおくは後回しにしてしまいがちです。
取って付けたようなものはいやですし、
苦し紛れに詩のなかの言葉をもってくるのにも抵抗がある。
そんな自意識と葛藤の末に題をつけて、あとは
読者のみなさまに委ねて、じぶんはさっと裏手に隠れてしまう。
そういう姿勢に後ろめたさを感じるので
上に記したような、あっさり、さばさばとしてこだわりのない在り方に
一種の爽やかさをおぼえるのです。