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2020/10/18

なんとなく、そっと置くように

みなさま、だいぶ冷え込む日もでてきましたが
如何おすごしでしょうか。

最近ほそぼそとしか書けていないので
なんとなく気が引けるのですが、きょうは、作品のタイトルの話しです。

詩に限りません。
絵でも、散文でも、あらゆる創作物につける題についてです。

先日、ある写真中心の展示を見に行ったとき、
一枚の絵に、いわゆるレンズ付きフィルムが描かれていました。

作者の方がいらした時だったので、そこに添えられたタイトルについて
どういう意味なのか、推測をまじえて語ったのですが
答えは「なんとなく…特に意味はない」でした。

創作にたいするそういう姿勢、いってみれば
じぶんが一度作ったものから一定の距離を置く、
そういうスタンスもあるのだなと
かえりみちに反芻するように考えていました。

わたくしおしゃまは。一度個人詩誌で発表した詩については
数か月もすると「なにを書いたんだっけ」と思うこともじつはあるのですが
いつも詩のタイトルをつけるときには、悩みに悩みます。

ときどき、先にタイトルに使いたい言葉が浮かんで
それに向かって書いていくこともありますが
おおくは後回しにしてしまいがちです。

取って付けたようなものはいやですし、
苦し紛れに詩のなかの言葉をもってくるのにも抵抗がある。

そんな自意識と葛藤の末に題をつけて、あとは
読者のみなさまに委ねて、じぶんはさっと裏手に隠れてしまう。

そういう姿勢に後ろめたさを感じるので
上に記したような、あっさり、さばさばとしてこだわりのない在り方に
一種の爽やかさをおぼえるのです。


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