書店に置いてあったチラシに、詩が載っていた。
谷川俊太郎さんの書いたものらしい。
しばらく谷川さんの詩から遠ざかっていたので、なにげなく貰ってきたが、
なんといったらいいのか、その「チラ詩」なるものがそもそもつまらないのである。
嫉妬でも嫌味でもなく、ほんとにこれでいいんか? と思ってしまう。
裏面の口上もよんでみた。
有料のメールマガジンで谷川詩がよめるというふれこみ、その宣伝チラシだったわけだが、この谷川さんらしい(?)謙虚さ、あるいは自信なさそうな文章はいつもの(……?)こととしても、これよんで月額800円+税を払う人がいるの?と逆に心配になるというか。
結局、詩を「売る」側の切迫した事情(のように思える文面なのだが)のみ前面にあらわれていて、よみ手はたんにその対価を支払うだけ、の存在にみられているような気がしたのだ。
その意味で一方通行的文章にとどまっていて、売り込みとしては非常によわい。
べつに押し売りよりはましかもしれないけれど、やはりこちら側、読者のことより業界の事情ばかり気にしているんじゃないか。
まあ、谷川さんよりかは若い編集者の意向が大きいのだとしても、やはりこれでは宣伝にもなってないなと、わたしは白けてしまったわけ。
なんで詩をよもうと、最初に思ったのかな?と自身のことを顧みてみる。
なんだかよくわからないけれど、おもしろそうな予感があったと記憶する。
理屈や売り込みをされたからどうしたわけではなくて、よみたいから図書館や書店で手にとって、好きかってによんだり、ななめよみしたり、友だちにみせたりしてたんじゃなかったか。
だから、このチラシみたいな「大人の事情」で詩を買わされるのには、すくなくともわたしは抵抗がある。
詩に限らず、文学に限ったことでもなく、誰でもそうなんじゃないのかな。