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2021/06/14

MINOX35EL

突然で恐縮ですが、写真撮りたい欲求より、カメラそのものへの欲求が上回るということはありませんか?

おしゃまは今度はこんなカメラを買ってしまったのですが…ちゃんとデジ2台ドナドナして、日々の200えん貯金でたまった50枚の100えん硬貨も両替して工面した数千円で購入したので、後ろ暗いことはなにもありません。

あいつ写真好きというよりはカメラオタクだから、と後ろ指をさされることは覚悟しております。

ミノックス35EL、1978年西ドイツ製です。

ローライ35と同じ目測式、京セラコンタックスTと同じフラップタイプの沈胴式ということで、なんとなく気になりだしたら止まらなくて…ヤシコンツァイス、ディスタゴンにもプラナーにも手が届かないこともあって、買おうと決めるまで時間はかからず。
カラーミノター35㎜f2.8の写りにも興味がありました。

このカメラ、ストラップを取り付けるアイレットがカメラ本体にはなく、ケースのほうについている。赤瀬川原平さんが尾辻克彦名義で書いたエッセイ集『カメラが欲しい』にも出てくるミノックス、目測式が苦手と後年書いていたから結局買わなかったのかも知れないが、同じ本のなかで「カメラケースはオムツみたいでかっこわるい」という意味のことを述べていらした。いまおしゃまはカメラバッグにて携帯するので、なるほどストラップは基本いらないしケースもじゃまである。
しかもこのケース、三脚穴がオフセットしているところにねじ込むので付けてしまうと「正座」ができず会釈、というか横坐りしてしまう。やはりないほうがすっきりしてよいと思う。
巻き上げはオリンパスXA同様のダイヤル式なのだけど、指がかかるレバーが付いていて2回巻く必要があり少しやっかい、しかもフィルム詰めると結構重くなる。
電子カメラなのですがスイッチが二重になってて、フラップがメインスイッチで、巻き上げレバーでシャッターチャージすると露出計の電源が入り、ファインダー内のシャッタースピード指標が動きます。巻き上げたら撮らないとバッテリードレインを起こすおそれあり。せっかくフラップ閉でシャッターロックがかかるのだからそんな心配をさせないで欲しかったが、1970年代の設計なのでそんなもんだと思いましょう。

プラ製のカメラだけど、精度が良いのか可動部はスムーズ、裏蓋もそのロックレバーも案外しっかり閉まる。沈胴式のレンズも、コンタックスTみたいに遮光幕は入っていないがそれで大丈夫なのだろうから大したものだと思います。

撮影距離は目測式の設定、絞りダイアルはいままでおしゃまが使ってきたカメラとは逆まわしだけれど、クリックがなく指一本でなんなく回せるから問題なかったです。
Tみたいにファインダーのぞきながら回すとなると、まだ不慣れだからか操作しにくいけど目測だから下の画像のように上からみて距離と絞りを決めればよいので。

で 実際撮り歩いてみると、シャッターチャンスに2回巻き上げレバー回すのがわずわらしいけれど、軽快に撮影できて楽しいです。

XA以来久しぶりの焦点距離35㎜もいいものです。

やはり撮りたいときに巻き上げなければならないのがこのカメラの「作法」なのだと思いますので、ここは人間のほうを適応させるのが早道でしょう。

また現像代がかさむよね……でも楽しみの代価としては適当だとは思います。
車乗り回すよりはるかに安いですよ。



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