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2022/05/25

久々になつかしい小説に接する

このところだいぶ辛口な内容が多かった気がいたします。

すこし落ち着いてみようと思います、おしゃまです。

先週くらいから、就寝前横になってから、ほんとひさびさに小説をよんでいます。

1990年発行、矢作俊彦『スズキさんの休息と遍歴 または かくも誇らかなるドーシーボーの騎行』という長いタイトルですが、この初版本には連載当時(少年だったおしゃまがたまに買っていた、もう消えてしまった毛色の変わった自動車の雑誌でした)とほぼ遜色なく、カラーだったのがモノクロになっただけですが、本文のあいまあいまに著者自身による個性のつよいイラストや手書きの描き文字(明朝体ではない)などが散りばめられています。かつて学生運動に身を投じた経験がいまも色濃くにじみ出ている主人公スズキさんをはじめ、東京からシトロエン2CV(ドゥシーボー)に一人息子のケンタを乗せて北へ向かう道中に現れる怪人物たちもまたアクがつよくて声が大きくて、章ごとのストーリーとかれらの科白どれもユーモアというかカリカチュアに富んだもの。それだけに→寄りのガチガチの人たちからは総スカンかも知れないですが、おしゃまはときどき笑いながらよんでおります。

ちなみに文庫版ではイラスト等ほぼオミットされてしまっていて、どうにも面白みに欠けます。

同じ雑誌に続いて連載された、これも同じく矢作俊彦による『あ・じゃ・ぱん』も名作でしたね。若い頃図書館でよんだきりですが、またよんでみたいです。


この本のあとにも、何冊も衝動買いして順番待ちをしている古書があります。
一時期のようにかけ持ちでななめよみするほどの時間もエネルギーも無鉄砲さもない現在ですが、それゆえにみえてくるものもあると思います。




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